Act locally

コパ・カタルーニャの準決勝と決勝を続けて見ました。こういう牧歌的な世界にずっと浸っていたい。例年実質エスパニョールとの決戦となるこのタイトルですが、今年は他にもプリメーラリーガのチームがいて、準決勝はそのジムナスティックとの対戦だった。バルセロナはトップチームの控えメンバー中心で、Bチームからはクロサス、オルモやドスサントスが出場。オレゲールが久しぶりに気分良さそうにプレーしていた。下部組織出身と言えばナスティックには懐かしいオスカルロペスがいる。相変わらずソープオペラ俳優のような奥行きの無いハンサムだ。試合前にはシルビーニョと親しげに談笑していて、この2人が同時にチームに在籍したことってあったっけとずっと考えてしまった。レンタル契約の間とかでは一緒に練習したりもあったのかな。オスカルは急拵えのディフェンスラインの綻びを突いたナスティックの1点目をソフトなクロスでアシストしていた。というかこの日は好き勝手にオーバーラップしすぎで、中に入り込んでシュートを打ったり自由自在にプレーしていました。カンテラからはバルセロナ的な繊細なタッチで個性豊かなサイドバックが結構出てくるんだけどトップチームに定着するまでには至らないので残念なところです。失点した後、2軍とはいえ世界一攻撃力の高いチームだし1点ぐらいはすぐに取り返せるさと気楽に構えてたら、ディフェンスが全然修正されなくて2-0にされたので流石に動揺した。それでも11番からのクロス、オレゲールからのスルーパスドスサントスが立て続けに決めたと思ったら、数分後にまた最終ラインの隙間に入られて失点とか後半はゲームが動きすぎでした。交替枠が5人迄使えるので色々な選手が見れて面白い。特に11番の選手はさり気に上手かった。シャツに書いてなかったので名前が分からないけど多分オルランディだっけ。その後オウンゴールで追いついて3-3、3分のロスタイムの2分47秒でエスケーロのヘッドが決まったときは特に沸くことも無く客が普通に帰ったりしていてかなりシュールな終わり方だった。

そんなこともあって当然のようにバルセロナVSエスパニョールの顔合わせとなった決勝は10分ぐらいずつ最後まで見た。観客は準決勝よりは多かったけどサバデルの小さなスタジアムはやはりほのぼのした雰囲気に溢れていた。若手が成長をアピールする場としても興味深いローカルトーナメントで今日もジオバンニドスサントスが違和感無く動いていてトップのオプションとして十分ありだと思えた。あとはオレゲールとセンターに入ったオルモ、中盤前にクロサス、そして今回は先発のオルランディは華奢なのにフィジカルコンタクトでも負けてなくていい感じ。今日みたいによく動くベレッチはサメのような必殺のオーラを漂わせていて途轍もなくセクシーだ。前半8分には中央に入り込んでエスケーロにスルーパスを出し1点目をアシストする。同点に追いつくエスパニョールの得点は、この前の試合からああいう感じで2人目の動きで普通に真ん中に入って来られるのでとても不愉快だった。後半に入ってモッタが安定している。はじけるような若さのドスサントスが到底無理そうなボールに追いついてキープしたシーンには感動した。エスパニョールの過激なファンは久しぶりに見たら相変わらずテンション高かった。ジョルケラがゴール裏から何かを投げつけられて倒れこむシーンもあり、可哀想だったけどまあ大して怪我しなかったから良かった。後半も相変わらずセンタリング上げられすぎで、しかもフリーなターゲットが中に数人いたり、お互い緊張感無くて面白くはありました。クロサスは器用でアイデア豊富で変な色がついていないあたりジェラールっぽい空気も感じる。1-1でフルタイムを迎え結局シュートアウトになってエスケーロのシューズがかっこ良かった。エスパニョールのキッカーが直前にミスったコースに蹴ってくるところとか性格の悪さが垣間見えて好感が持てる。ジオバニが蹴ったときは足元悪くて微妙に滑って砂煙が立ち昇るシーンがかっこよかった。モッタが決めて終わった頃にはラポルタも疲れた顔で、授賞式ではみんながそれなりの喜び方だったけど楽しかったです。トロフィの価値は低くてもサッカーを楽しむ時間の素晴らしさはタイトルの軽重で変わるものではありません。