Way down in Egypt land

ミッドウィークに行われたカイロのアルアリとのフレンドリーマッチを見た。今年4月で100周年を迎えるというこのクラブは、よく知らないけどアフリカではかなりのものらしくムバラク氏も観戦に訪れていた。アルアリのメンバーは一緒に入場する子供たちと異常なほど盛り上がって話していたり試合中にバルセロナのベンチにサインを貰いに来たり、変にテンションが高くて可笑しかった。この日はチーム全員で遠征したのでベンチが足りなくなってメッシとオレゲールは床に座らされていました。前半は”Double-V”をキャプテンに控え組中心の構成。エスケーロとグジョンセンをトップ下気味に入れるフォワード5人を無理矢理使ったフォーメーションはちょっと面白かった。Bチームからは話題のボヤン・キルキッチと、プレシーズン以来気に入っていたヘスス・オルモが見れたのが嬉しかった。レギュラーメンバーが登場した後半もREMにジオバニドスサントスを組み合わせた攻撃とか新鮮だった。バルセロナの1点目はマルケスがヘッドでファーに落としたボールを裏から詰めたサビオラが押し込むというゴール。サビオラってこういうところに入ってくるの得意だよね。5年前ぐらいのデポル戦か何かでワイドに流れたリバウドのシュートにこういう形で反応してたのが印象に残っている。2点目は楔で受けたサビオラのスルーパスをキルキッチが冷静に決めていた。いいゴールだったけど、公式戦じゃないしこの前のメッシのあれを見てるせいもあって、実況の人が言ってたほど歴史的瞬間みたいな気はしなかった。そもそもボヤン・キルキッチがどんな選手なのかよく知らない。この日は左サイドのプレーを見て上手いとは思ったけど、絶対論と相対論がせめぎ合うサッカーの世界では実力があれば成功できるというわけでもないので、個人を翻弄する必然と偶然の狭間で彼が今後どのような運命を辿ることになるのか色々な意味で楽しみなところだ。3、4点目はディフェンスを強引に振り切って前を向いたり瞬間的に意識の死角を突いて裏を取るエトーらしい身のこなしが見られストライカーの完全復活を感じました。センテナリー記念のゲストみたいな感じで呼ばれて0-4で勝つというのはちょっと申し訳ない気もするけど、欧州トップモードのエレガンス、スーパーエリートクラブの最大出力を見せることを期待されてもいただろうからイベントとしては成功といっていいのかな。少なくともバルセロナのファンとしてはシリアスなコンペティションではできない実験や遊びが久しぶりに見られた楽しい夜になりました。こんなエキシビションなんかやってないでリーグに集中しろよと言う人もいるかもしれないけど、実はこういうことこそがサッカーの目的であり大事なことなんじゃないかと思う。こうやってアフリカの地で創立100年を数える偉大なクラブと試合できるというのは光栄なことだ。互いに尊敬し合える友人たちとサッカーを楽しんでともに過ごす幸せな時間は何物にも替えられません。これで精神的にリフレッシュして新たな気持ちでリーガに挑めればいいなと思います。