Kontradiction

紺野・小川卒業の発表はショックでした。僕はモーニング娘。のファンではあるんですが後藤真希を除いた4期以前に関しては実はかなりどうでもよくて、本格的にはまり出した5期以降が本当に大切な娘。経験であっただけに、僕にとってこれは今までの脱退劇とは意味合いの全く異なるものです。紺野あさ美は『モーニングタウン』の頃とても好きだった。同期では高橋愛につぐアイキャンディとしてのポテンシャルを持ち、近年はグラビアも高い評価を受けていました。でかい頭に豊かな頬肉あと何か上手く説明できない変な顔という可愛いけど異常な風貌と、ビキニで映える完璧なフィジカルとのコンビネーションが全くマッチしていない、キメラのようなグロテスクさが魅力の個性派でした。更にキャラクターと合わせて換えの利かないオンリーワンのポジションを掴んでいただけに、ピークにあってのこの引退は残念だ。でも1期、2期のメンバーが醜く生き恥晒してるのに比べれば惜しまれつつ去り、その不在によって最高の輝きで人々の記憶に残り続けるのはいいことなのかもしれませんね。そういう見切りのつけ方はこの人らしくあるような気もする。娘。においては一番の良識派と呼ばれ色々な意味でまともすぎただけに、アイドルの虚像と自らのそうありたい姿とのギャップにストレスを感じたこともあったかもしれない。そういう意味でハンバーグ事件って象徴的だ。偽物と本物を見分けられずに泣き出してしまったというのは、作られたアイデンティティの中に本当の自分を見失っていく恐怖を表すものであったような気もする。あさ美ちゃんが泣きました、と楽しそうに指差して嘲っていた安倍なつみや、ゲームだよ楽しいゲームだからねと言う矢口真里の発言と比較すると更に意義深い。この人たちにとってはゲームだったんでしょう。昨今の紺野あさ美はキャラを無理してる感が常に漂っていたし、親友の加護亜依の事件あたりで色々考えたこともあったのだろうか。殺伐とした女子アイドル界にあってそこだけ生ぬるい空気を作っていた5期の四姉妹もこれで終わりだなんて淋しいことだ。でもそうなると6、7期中心にまた血で血を洗うような物語が展開されそうで、それはそれで楽しみでもあります。