Veni Vidi Vici

17日のエントリーの題名はもちろん人類初のムーンウォーカーニール・アームストロング氏の名言から頂いたんですが、先ほど公式サイトを見たらミラン戦の記事に似たようなタイトルが付けられていてちょっとうれしかったです。もう『ストレンジャーズ』のドミニックのように寝ている間に「I'm scared.」と繰り返しタイプしてしまいそうだ。今は全てが一気に決してしまいそうな状況がとにかく怖すぎる。リーガは先に試合するバレンシアの動向次第で今節優勝が決まる可能性もあるんだっけ。2タイトルの争いにこの時期まで絡むの自体久しぶりな上に、こんな密度の高い局面を与えられては精神的にとても耐えられません。例えば降格しそうなチームのファンとかより僕の方がよっぽど怯えていると思う。チャンピオンチームのファンは連戦連勝で楽しいばかりだろうと思うかもしれないが、そこには別の意味で崖っぷちに立つような恐怖を感じる体験があります。4人で処刑台に立たされて誰か1人に与えられる恩赦を待っている気分だ。優勝、残留、欧州カップ出場という目標を目指し、あらゆるポジションのチームがそれぞれのスリルを楽しめる、サッカーってよくできたゲームだなと思う。フットボールの真実は一つじゃない、ゲームは主体の数だけあるということがよくわかりますね。

ミラン戦は見たけど何かを語れるような精神状態ではありません。ジンクスしたくもないし何も言わずにいた方が良さそうな気もする。ミランを見るのは一年以上ぶりでした。ここ数年バルセロナ絡みの試合以外はまったく見ておらず極度の世間知らずとなっていて、イタリアでどのチームが強いとか誰が活躍してるのとか全然わからない。セリエAをまともに見たのってキエーボが昇格した年が最後かも。やはりイタリアトップチームの本気のディフェンスは怖かった。サンシーロの空気も怖い。何を相手にしてるのかそれまでよく分かってなかったんですが、熱い喝采ディフェンダーに浴びせられたとき、ああこれはACミランだって思いました。バルセロナはジュリの持ち味を活かしちょっと前によくやってた形で攻めていましたね。マルケスのフィードとか微妙に懐かしい。マキシが入ったときスタンドでリーベルのシャツを掲げてる人がいてちょっと感動した。恐怖と緊張感で思考が狂って何が起こっているのかもうよくわからない。最後の方はちょっと泣きそうだった。走馬灯のように色々思い出したりもしました。ジェラールがマラガのスタジアムのベンチに頭から落ちているところとか。次はどんな展開になるのだろうか。勝負は勝たなければ意味が無い。ここまで来て負けるなんて1回戦で負けるより最悪だし、無様に負けている奴の姿を見たいのならわざわざ衛星放送を契約しなくとも鏡があれば十分な訳で、何としても勝ってその勝利を俺に捧げろと思います。